「景観をデザインする」
この町には大きな川が流れているが、所々手入れされていない
杉林や竹林によってその眺めが見えない所がある。
それらを伐採して景観を良くしようとするプロジェクトが始まった。
当初、景色が良くないという理由だけで木を切る事に疑問を感じたが、
その木を植えたのは人であり、またそれを育てたのも人である。
その昔川沿いには一本の木もなかったそうだ。
そう。今ある自然に見える自然は全てが自然ではなく、
人の手によって作られた里山と言われる自然でもある。
間伐によって美しい山が作られていくように、
木を伐採することで川自体は変わらないかもしれないが
川の景観が良くなることで川を好きになってくれる人が増えるかもしれない。
今ある自然や環境をより良くするために少しだけ手を加えること。
足すのではなく、その魅力を最大限に引き出す事。
ただ木を切るだけだと思っていたこのプロジェクトこそ
実はデザインじゃないかと思う。